- 2026年7月10日
【糖尿病の誤解】「甘いものの食べすぎ」が原因とは限らない?
「糖尿病」という病名を聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか? 「甘いものをたくさん食べる人がなる病気」「太っている人の病気」と思われている方がとても多いのではないでしょうか。
実は、糖尿病には「多くの方が誤解している、意外な真実」がたくさんあります。今回は、専門医の視点から、特に知っておいていただきたい3つのポイントを分かりやすく解説します!
1:痩せている人でも糖尿病になる
「私は太っていないから大丈夫」と思っている方も多いかもしれませんが、実は注意が必要です。
諸外国に比べて、私たちアジア人(日本人)は、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」を分泌する能力が少ない、少なくなりやすいと言われています。
そのため、少し内臓脂肪がついたり、運動不足が続いたりするだけで、見た目はスリムでも血糖値が上がってしまうことがあります。当院の外来でも、「まさか自分が糖尿病になるとは思わなかった」と驚かれる方も少なくありません。

2:初期は「ほとんど症状がない」
糖尿病で注意しなければいけないところは、「かなり進行するまで、自覚症状がまったくないことが多い」という点です。
風邪であれば咳や鼻水といった分かりやすいサインが出ますが、血糖値は少しずつ高くなっていくため、体がなかなか気づいてくれません。「喉が渇く」「急に体重が減る」「尿の回数が増える」といった症状は、かなり進行した状態になって初めて現れます。
【ここがポイント!】 「症状がないから大丈夫」ではなく、自分が糖代謝に問題がないことを知っておく、変化がないか観察していく姿勢が大切です。
3:ただ「血糖値が高いだけ」ではなく「血管の病気」をきたす
糖尿病は慢性的な高血糖状態となる代謝疾患ですが、インスリン作用が不足し、酸化ストレスやAGEs蓄積(終末糖化産物)、プラーク形成などが静かに進み全身の血管を少しずつ傷つけていきます。これを放っておくと、数年から十数年かけて以下のような大きな合併症を引き起こします。
- 目(網膜症): 失明の原因になることがあります。
- 腎臓(腎症): 進行すると人工透析が必要になります。
- 神経(神経障害): 足の感覚異常が出現し、糖尿病性足壊疽から下肢切断に至ることもあります。
これらは「三大合併症」として知られますが、これ以外にも心筋梗塞や脳梗塞、認知症のリスクも高まることが分かっています。

まとめ:早期発見で健康な人と変わらない人生を目指しましょう!
糖尿病は一度発症すると「一生治らない、ずっと強い薬を飲み続ける」というネガティブなイメージを持たれがちですが、決してそんなことはありません。
発症してまもない初期のうちにしっかり血糖値をコントロールできれば、将来の合併症を抑えられることが明らかになっています。
早期に治療を始めた結果、お薬を減らしたり、お休みできたりする状態(寛解)をキープされている方もたくさんいらっしゃいます。
「最近、健康診断を受けていないな」「そういえば前回の健診で血糖値が少し高めって書かれていたかも…」という方は、当院までお気軽にご相談ください。ライフスタイルに合わせた対策を考えていきましょう!