• 2026年4月7日

糖尿病と認知症の関係とは?脳の健康を守りましょう!

超高齢社会を迎えた日本において、「認知症」は誰にとっても身近なテーマです。実は近年、「糖尿病」が認知症の発症リスクを大きく高めることがわかってきました。

「血糖値と脳に何の関係があるの?」と驚かれる方も多いかもしれません。今回は、糖尿病と認知症の意外な関係性と、脳の健康を守るための予防策についてわかりやすく解説します。

なぜ糖尿病だと認知症リスクが上がるの?

糖尿病の人は、そうでない人に比べて認知症(アルツハイマー型認知症、血管性認知症など)になるリスクが約2倍高くなると言われています。さらに、治療が不十分な場合や、病歴が長い場合などは、そのリスクが3倍以上になることも報告されています。では、なぜ血糖値が高いと脳に影響が出るのでしょうか?そこには、大きく分けて4つの要因が提唱されています。

糖尿病が認知症を引き起こす4つのメカニズム

1. 「動脈硬化」(血管性認知症のリスク) 高血糖の状態が続くと「動脈硬化」が進行しますが、脳の血管では脳梗塞や脳出血を引き起こしやすくなり、その結果として「血管性認知症」の発症リスクが上昇します。

2. 「微小血管障害」による隠れた虚血 糖尿病は太い血管だけでなく、毛細血管のような非常に細い血管(微小血管)の血流にも影響します。大きい脳梗塞などが見当たらなくても隠れた虚血により、認知機能が徐々に低下していきます。

3. 「糖毒性」による影響 慢性的な高血糖により、過剰な糖がタンパク質と結びついてできる「AGEs(終末糖化産物)」が蓄積したり、酸化ストレスが増えたりすることで、血管は老化し認知症のリスクを高めます。

4. インスリンの過剰分泌とアミロイド分解低下 血糖値を下げるホルモンである「インスリン」ですが、 インスリンはアミロイドβというタンパクの分泌を促すとともに、分解も阻害すると考えられています。このアミロイドβタンパクが蓄積しやすくなり、アルツハイマー型認知症の進行を早めてしまうと考えられています。

(※さらに、低血糖や脳のグルコース利用低下、インスリン作用低下なども注目されています。)

脳を守る!認知症を防ぐためのアプローチ

糖尿病の治療そのものが、認知症の予防となります。今日から以下のポイントを意識してみましょう。

1. 良好な血糖コントロールの維持 定期的な検査で血糖値、HbA1cを目標内に保つことが重要です。HbA1cを下げることだけではなく、より血糖変動が少なく、低血糖を起こさない管理が大切です。また糖尿病治療薬の中には認知症に対して抑制的に作用しうる報告がある薬剤もあります。

2. 食事と運動の習慣化

  • 食事: 野菜、魚、大豆製品などをバランスよく取り入れ、塩分や糖分の摂りすぎに注意しましょう。
  • 運動: ウォーキングなどの「有酸素運動」が特に効果的です。1日1時間のウォーキングが認知症の発症を低下させる報告があります。

まとめ:良好な血糖管理は「認知症の予防」となる

糖尿病と診断されたからといって、必ずしも認知症になるわけではありません。「血糖値を良好にコントロールすることは、認知症の抑制につながる」という前向きな意識を持ち、日々の生活習慣を見直すことが大切と考えています。高血糖および低血糖はいずれも認知機能を低下させることが知られていますが、どのような治療法がご自身に合ったものであるか、よく相談をしていきましょう。

少しでも不安なことや、治療に関する疑問があれば、いつでも当院へご相談ください。

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