• 2026年9月30日
  • 2026年10月1日

【糖尿病網膜症】とは?予防と眼科連携の大切さ

「最近も視力は落ちていないし、目のかすみもないから大丈夫」

糖尿病の診療でこのようなお声を耳にすることがあります。

しかし、糖尿病の三大合併症の一つである「糖尿病網膜症」は、かなり進行するまで自覚症状がほとんど現れないという特徴があります。今回は、大切な目を守るために知っておきたいポイントをお伝えします。

糖尿病網膜症はどれくらいの人がなるの?

現在、日本国内において糖尿病と診断されている方のうち、約15-23%に糖尿病網膜症がみられるといわれています。

目の奥にある「網膜」には細かい血管が張り巡らされています。血糖値が高い状態が長く続くと、この細い血管が傷つき、瘤ができたり出血したりしてしまいます。初期段階では痛みも見え方の異常もないため、「見えているから安心」とは言えないのが網膜症の怖いところです。

血糖コントロールが目を守る:国内外の研究でわかること

日々の食事療法や運動療法、お薬による「血糖管理」は、網膜症の予防に直結しています。これは国内外の大規模な研究でも証明されています。

  • UKPDS(イギリスの大規模臨床研究)2型糖尿病の方を対象とした研究で、厳格に血糖をコントロールしたグループは、従来通りの管理を行ったグループに比べて網膜症などの細小血管合併症のリスクが大幅に低下することが示されました。
  • Kumamoto Study(熊本スタディ)日本国内で行われた研究です。日本人においても良好な血糖コントロール(HbA1cなどの目標達成)を維持することで、網膜症の新規発症だけでなく、すでに起きてしまった網膜症の進行を有意に防げることが実証されました。

「日々の良好な血糖管理が、網膜症の発症や進展を抑制する」ということが、これらの研究から分かっています。

※コントロールの目標はご年齢や治療内容でも異なりますのでご確認ください

糖尿病内科と眼科をつなぐ「糖尿病連携手帳」の役割

網膜症の精査は「自覚症状がないうちから、定期的に眼科で検査を受けること」が早期発見・早期治療のポイントとなります。

そこで当院が大切にしているのが、「糖尿病連携手帳」を活用した眼科との連携です。

糖尿病連携手帳では、血糖管理指標に加え、血圧や体重など、日々の管理のため必要な検査結果を自由に記載できるようになっています。眼科受診のページに眼科での検査結果や目の所見を手帳に記載していただくことで、当院でもお体の状態と目の状態を正確に把握し、治療方針に反映することができます。糖尿病網膜症は、早期に発見できればレーザー治療などで進行を食い止め、視力を守ることが可能です。

「最後に眼科を受診したのはいつだったかな?」と最近の受診ができていないと思われた方は、診察時にお声がけください。地域の眼科の先生方と手を取り合いながら、皆さまの大切な目を守るサポートを継続してまいります。

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